PA機器を一般家庭で(YAMAHA P-1000Sをお家で使ってみよう)

みなさんは"PA"という言葉をご存知ですか?

 PAというのは"Public Address"の略で、店舗における放送や音楽イベント会場におけるオーディオシステム全般の事を指す言葉です。
 ちなみに、選挙カーのメガホンもPAに含まれます。
 そして、通常は音質よりも耐久性(長時間大音量を流し続けられるなど)が求められる機器であるため一般家庭で使用するには都合が悪い場合もあります。

PA機器は本当に音質が悪いのか?

 "音質が悪い"かというと音質は悪くありません、もちろん選ぶ機械によっては大音量特化でとても聞くに堪えない物もあるかもしれませんが大抵は大丈夫です。
 実際、レコーディングスタジオやライブハウスなどでも普通に使用されているため、音質に特化した製品も多く存在し、更に業務用製品特有の信頼性もあります。

ここから本題に入ります

「YAMAHA P-1000S」 をお家で使ってみよう

 YAMAHA製のPA用パワーアンプは様々な種類があり、2021年12月現在販売中のYAMAHA製パワーアンプの中でも比較的安価なP-Sシリーズの、最も出力の低いP-1000SはSR(より音質を重視したPAのようなもの)から店舗における設備音響まで使用できるスタンダードモデルです。
 
P-1000Sの上にP-2500Sなどがありますが、一般家庭で使用する場合はおそらく出力が大きすぎ、制御が難しくなるかと思います。
P-1000Sは片ch 100Wで2ch合計200Wであり、家庭用のプリメインアンプの場合は出力の大きいクラスだと100W級が存在するため、P-1000Sは一般家庭でも使用できる出力であることがわかります。
 そして価格は某Sハウスで3万円台後半と、出力の割にライト層でも非常に手を伸ばしやすい価格かと思います。

肝心の音質は?

  やはりPA機器と言えど一般家庭での使用となれば音質が大切です。
 しかし、ここは流石YAMAHAとでも言いましょうか、他のアンプに比べて非常にクセの無い自然な音を奏でます。クリック感のある出力ダイヤルを回していくと迫力のあるPAらしい大音量を浴びることもでき、1台で2つの顔を楽しむことができます。
 そして、通常のアンプだと入力は赤白黄色のケーブルで馴染み深いRCA端子による"アンバランス接続"が多いのですが、このアンプはXLR端子やTRSフォンによる"バランス接続"が可能なため、ソースから出口まで全てバランス接続なんてこともできます。
 
背面の端子部

※アンバランス接続はマイナス側がLRで一緒になっているため音が微弱ながらも混ざる可能性があるが、バランス接続の場合はLRで完全に独立しているためその心配がなくなる。

業務用は場所を取る?

 大抵の業務用音響機器は横幅と高さが統一され、"U"という単位で数えます、例えばこのアンプの場合"2U"で1Uを縦に2つ重ねると2Uとなります。
 規格でサイズが統一されていると、その規格に対応したスタジオ用ラックを購入してしまえば、あとは内部にネジ止めでマウントしていくだけになるため非常に邪魔になりにくいです。
 しかし、ラックを用意せずに設置するとなると大きく2つの問題が生じます。
 1つ目は、ラックマウント前提の機器には足がありませんので床や机を傷つける可能性があります。
 2つ目に、ラックマウント用の金具や正面に付いた取っ手が非常に邪魔となり、他の家庭用オーディオ機器との見た目の相性も合わなくなる可能性があります。
  
 ラックにマウントする場合、本体重量が12キロもあるために難しい取り付け作業となるかもしれませんが、一度マウントしてしまえば移動もラックごとできるので非常に取り扱いが楽になりますので、ラックマウントをおすすめします。
 ちなみに"U"という単位は横幅と高さは決まっていますが奥行に関しては決まっていないのでラックから機械がはみ出ないように機械の奥行きに注意しましょう。

機材をセットしてみよう!

 先程も書いたとおり、このアンプはXLR入力またはTRSフォン入力に対応していますが、大抵のCDデッキやレコードプレーヤーなどはRCA端子による出力が基本です。
 そこで、RCA-XLRオスのケーブルを使用します。
 変換ケーブルと聞くと音が劣化しそうな雰囲気がありますが、この場合はバランス接続の効果が得られなくなる以外にこれといった劣化はありません。
 ちなみにケーブルによって音が変化するため、沼の住民はいろんな接続方法を試みるんだとか・・・・

 必然的なこと

 この手のアンプには特にサラウンド機能もイコライザーも付いておらず、生の信号をそのまま増幅しているようなイメージとなりますので、段々グラフィックイコライザーやコンプレッサー、エンハンサーなどが欲しくなってくるかと思います。
 
 ここでラックマウントの規格が効いてきます。
 
 グラフィックイコライザーもコンプレッサーもエンハンサーも、同じ"U"で数えられる機器ならサイズに悩まされること無く全て使えるのです。
 私は以前、レコーディング用のレベルメーターの奥行があまりにも小さく、設置する場所に困るなんてことがありましたが、ラックマウントタイプは何も気にせずに機材を増やしていき、自分だけのオリジナルシステムコンポが出来上がるわけです。
 

構成によっては"ピュアオーディオ"とは少し離れるかもしれませんが、迫力のあるサウンドを楽しむことができますし、何よりも自分好みの音質に仕上げられ、無限にこだわることができます。
 
こんなものも一つのホームオーディオの形としていかがでしょうか? 
 
最後までご覧いただきありがとうございました。
画像に写っている機器の詳細についてはまた別の機会にご紹介できたらなと思います。
本日はもう一度更新予定ですので、よかったらそちらもご覧ください。
 
 
 
 
 
 
 
 

 


 

コメント

このブログの人気の投稿

AKAIの専売特許 スーパーGXヘッド

3ヘッド? ダブルキャプスタン??