3ヘッド? ダブルキャプスタン??

 今回はカセットデッキのメカのお話です。

 
 "メカ" というのは読み取りやテープの走行に関わる、まさにカセットデッキの心臓部と言える部分の総称で、タイトルにある3HEAD CLOSED LOOP DOUBLE CAPSTANというのはメカの機能や要素からそう名付けられています。
※他には2ヘッド、シングルキャプスタン、オートリバースなどがあります。
 
 まずはA&D GX-Z6100のメカを見てみましょう。
 GX-Z6100は3ヘッド クローズドループダブルキャプスタンのワンウェイデッキです。
※"ワンウェイ"とは"一方通行"つまり逆再生ができないと言うことですが巻き戻しはできます。 
 
カセットテープを見たことがある方なら、どの部分がどう動くか、おおよそ想像はつくかと思います。
 
 この画像では何が3ヘッドでダブルキャプスタンなのかよくわからないかと思いますので図で解説を行います。
 主要なパーツはこんな感じです。 
 ピンチローラーとキャプスタンが回転し、テープはそれに挟まれる形で消去/録音/再生ヘッドの上を走行します。
 
  実機の写真で言うと左右の銀色の細い棒が"キャプスタン"、その直下にあるゴムのような質感のローラーが"ピンチローラー"
真ん中のかまぼこ形の金属部品が"ヘッド"
"消去ヘッド"は左側のピンチローラーの隣にある黒い金属部品です。
 
 
 
 

 ・ヘッド

 まず"3ヘッド"というのは、消去ヘッド・録音ヘッド・再生ヘッドが独立しており、録音しながら再生をして録音結果をチェック(モニタリング)することができます。しかし、再生ヘッドはテープからの磁気を受け続けることになるため、あくまでオカルト的な部分ではありますが消磁テープや消磁機を使用して磁気を無くす必要があるとされています。
 
 逆に2ヘッドの場合は再生ヘッドが録音ヘッドを兼ねているため録音中のモニタリングができませんが、磁気の問題は録音をすることでヘッドの磁気が抜けるようです。

 一般的には3ヘッド機の方が性能が高く音質も良いのですが、2ヘッド機でも3ヘッド機に迫る高音質を実現した機種が存在し、また現在でも新品で購入可能なTEACのW-1200というデッキは2ヘッドメカを採用しているようです。
 
 

 ・キャプスタン

 次に、"クローズドループダブルキャプスタン" というのはキャプスタンが左右に1本ずつある構造を指します。
 キャプスタンが2つあることにより、安定してテープを走行させることができ"ワウフラッター"が軽減されるため、高級機に多く採用されていますが、シングルキャプスタンに比べて部品点数が多くなり、また左右の回転のバランスが狂ってしまうとテープが絡まってしまうためにメンテナンスが難しいです。
 

ワウフラッターとは?

"ワウフラッター"とは回転ムラが原因で再生速度がわずかに変化し音が揺れて聞こえる現象の事。
TEAC現行のシングルキャプスタンデッキ W-1200は0.25% 
今回取り上げているA&DのダブルキャプスタンデッキGX-Z6100は 0.035%
数が小さいほどワウフラッターも少なくなります。
 

オートリバース

 また、今回例として紹介したGX-Z6100には付いていませんが、A面とB面を自動で切り替えて再生することができる"オートリバース"の付いたデッキも存在します。従来A面の再生が終わるとテープを一度取り出して向きを変えて入れ直す作業が必要ですが、オートリバースデッキの場合は自動的にA面B面が切り替わります。
 
 これにもヘッド自体が回転して逆再生するもの、回転させずに4トラック分の大きいヘッドを使用するものなどいくつかの方式がありますが、長くなりますので今回はこのあたりで終了にします。
 
 
最後までご覧いただきありがとうございました、ぜひ他の記事もご覧ください。
 

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